犬をいじり倒して帰ってきた猫のその後
ギャンギャンギャンギャンギャン!
鎖につながれている犬に鬼ごっこをしかけるニャー子。吠えられるほど、ニャー子は楽しくてしかたがないのです。
喉をならして、陶酔の表情。
今度はこんなのはどう?と、顔を引っ込めて片腕だけひょいと見せてみます。
犬「(心の声)なにやってんだ、猫! 片腕だけ見せるんじゃないよ!ここはオレの縄張りだぞ!」
ギャンギャンギャンギャンギャン!番犬の名誉を賭けて、血管が切れそうなほど吠えまくる老犬。
でも、長くは続かず、やがて体力を消耗させ、ぐったりとしていきます。
様子を確認して、ニャー子にんまり。
犬小屋の左側面からB家に侵入。もはやそのとき、犬は叫びすぎて喉が枯れ果てています。
ぜんぜんイケてないのよ、あんたは。
ニャー子はそんな目つきで悠々とB家の納屋にたどり着き、惰眠を貪るのでした。
その頃、ニャー子の留守中のA家には、いつものように野良猫が侵入していました。
B家の昼寝から帰ってきて、空になった皿を見るニャー子。
またお昼を横取りされた……。
すると、庭に飛び出して、腹立ちまぎれに小鳥たちに飛びかかり、つかまえられそうにないのであげくのはてにゴキブリを捕まえました。
チッ!……。
クチャクチャとガムのように、ゴキブリを口の中で転がすニャー子。
都会ではあんなに可愛かったニャー子は、田舎暮らしですっかりスレた女になってしまいました。